

原案:辻 則彦「男たちの宝塚」(神戸新聞総合出版センター刊)より
脚本:中島淳彦 演出:鈴木裕美
企画・製作:キューブ 協力:宝塚歌劇団
『宝塚BOYS』とは?
2014年に創立100周年を迎え、“女性だけのレビュー劇団”として、いまや日本のみならず、世界でも知られる存在
である、宝塚歌劇団。
その長い歴史の中で、かつて「男子部」があった事実は殆ど語られていない。
その「男子部」に焦点を当てた舞台、『宝塚BOYS』。
第二次世界大戦が終わってまもない1945年(昭和20年)12月から1952年(昭和27年)の間に4回にわたり、
宝塚歌劇団の舞台に出演させることを目的として男性を募集。そこへ応募してきた大勢の中から、25人が合格。
それぞれに出目が違う彼らではあるが、「明日の宝塚スター」を夢見て、レッスンに励んでいた。
しかし、1954年(昭和29年)3月、「男子部」は解散。
その間、彼らはメインステージである宝塚大劇場に立つことは、一度もなかった。
そんな彼らのちょっと可笑しくも哀しい懸命さ。
そして”解散”という英断を下した苦渋は、ある意味、今日に及ぶ宝塚歌劇団繁栄の礎ともなったのではないだろうか。
そんな彼らにスポットをあてたドキュメンタリー本、
辻則彦著「男たちの宝塚~夢を追った研究生の半世紀」(神戸新聞総合出版センター刊)を原案におき、
なんとも切ない男たちの青春グラフィティとして2007年舞台化され、東京から全国9カ所を巡演。
その舞台は大好評をいただき、翌2008年、2010年、2013年と上演を重ねている。

2007年

2010年

2008年

2013年
ものがたり
昭和20年秋・・・第二次世界大戦が終わったばかりの激動の時代。
幼い頃から宝塚の舞台に憧れていた若者・上原金蔵。彼は一枚の召集令状で青春を失い、今度は自らの書いた一枚の手紙で、人生を変えようとしていた。
手紙の宛先は宝塚歌劇団創始者・小林一三。
内容は宝塚歌劇団への男性登用を訴えるものだった。
折よく小林一三も、いずれは男子も含めた本格的な“国民劇”を、と考えていたのだ。
そうして集まったメンバーは、上原をはじめ、電気屋の竹内重雄、宝塚のオーケストラメンバーだった太田川剛、旅芸人の息子・長谷川好弥、闇市の愚連隊だった山田浩二、現役のダンサー・星野丈治、と個性豊かな面々だった。
宝塚歌劇男子部第一期生として集められた彼らではあるが、劇団内、観客などの大半が男子部に反対。
前途多難が予想される彼らの担当者として歌劇団から、池田和也が派遣されていた。
池田は彼らに厳しく言い放つ。
「”清く正しく美しく”の歌劇団内では、生徒といっさい口をきいてはならない。」
「訓練期間は2年。その間、実力を認められるものは2年を待たずに仕事を与える。」
男子部のメンバーはいつか大劇場の舞台に立てることを信じ、声楽・バレエ・・・と慣れないレッスン明け暮れる日々が始まった。
彼らは歌う、「モン・パリ」「おお宝塚」「すみれの花咲く頃」・・・・・・。
瞬く間に一年が過ぎ去り、待ちに待った出演依頼が。
しかしそれは・・・馬の足。
男子部の存在を否定するかのような事件も起こり、彼らの心中は激しく揺れ動く。
そんな中、新人・竹田幹夫が入って来る。
月日は流れて行く。
やり切れない想いをかかえながらも、相変わらず日々のレッスンに励む男子部の面々。
しかし、彼らの出番は相変わらずの馬の足と陰コーラス。プログラムに名前すら載らない。
それどころか、男子部反対の声はますます高まり、孤立無援の状況。
そんな彼らをいつも温かく見守ってくれるのは、寮でまかないの世話をしてくれる君原佳枝だけだ。
そんなある日、とうとう宝塚男女合同公演の計画が持ち上がった。
喜びにわく彼らだったが・・・・・・。
上演記録
2007年
・東京公演 6月12日(火)~24日(日) ル テアトル銀座
・仙台公演 6月27日(水) 仙台市民会館
・名古屋公演 6月29日(土)・30日(日) 中日劇場
・富山公演 7月5日(木) 富山県民会館
・兵庫公演 7月7日(土)・8日(日) 兵庫県立芸術文化センター・中ホール
・札幌公演 7月12日(木) 北海道厚生年金会館
・新潟公演 7月14日(土) 新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)・劇場
・広島公演 7月17日(火) 広島アステールプラザ・大ホール
・福岡公演 7月19日(木) 福岡市民会館
<出演>
上原金蔵/柳家花緑 竹内重雄/葛山信吾 星野丈治/吉野圭吾
太田川剛/三宅弘城 長谷川好弥/佐藤重幸 竹田幹夫/須賀貴匡 山田浩二/猪野 学
君原佳枝/初風 諄 池田和也/山路和弘
2008年
・東京公演 8月1日(金)~31日(日) シアタークリエ
・兵庫公演 9月2日(火)~4日(金) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
・名古屋公演 9月6日(土)~7日(日) 愛知厚生年金会館
<出演>
上原金蔵/柳家花緑 竹内重雄/葛山信吾 星野丈治/吉野圭吾
太田川剛/山内圭哉 長谷川好弥/瀬川 亮 山田浩二/猪野 学 竹田幹夫/森本亮治
君原佳枝/初風 諄 池田和也/山路和弘
2010年
・東京公演 8月6日(金)~9月1日(日) シアタークリエ
・兵庫公演 9月4日(水)~5日(木) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
<出演>
上原金蔵/浦井健治 竹内重雄/藤岡正明 星野丈治/東山義久
太田川剛/瀬川英次 長谷川好弥/杉浦太陽 山田浩二/黄川田将也 竹田幹夫/石井一彰
君原佳枝/初風 諄 池田和也/山路和弘
2013年
・東京公演 2013年7月23日(月)~8月11日(日)
・名古屋公演 2013年8月13日(火)
・兵庫公演 2013年8月24日(土)~25日(日)
・横浜公演 2013年9月3日(火)~5日(木) <「横浜演劇鑑賞協会」貸切公演>
・新潟公演 2013年9月11日(水)
・千葉公演 2013年9月15日(日)~20日(金) <「ちば演劇を見る会」貸切公演>
<出演>
上原金蔵/吉沢 悠 竹内重雄/良知真次 星野丈治/中河内雅貴
太田川剛/板倉チヒロ 長谷川好弥/入野自由 山田浩二/小林大輔 竹田幹夫/上山竜治
君原佳枝/初風 諄 池田和也/山路和弘